吉田 和代 さん(50代)
スキルアップ
2023年キャリアコンサルタント資格合格
資格取得前:家電メーカー人事職
資格取得後:人事業務と併行し、キャリア応援団の一員
人事部門一筋のキャリアの中で、資格を活かせることを幸せに感じる
会社のジョブ型マネジメント導入を機にセルフキャリアドックが立ち上がった
現在の会社に入社した際から、人との関わりを持ち、人々の人生をサポートする仕事をしたいと考え、人事部門への配属を希望しました。それ以来、人事一筋で仕事をしてきましたが、会社がジョブ型マネジメントを導入するタイミングで、新たに「キャリア応援団」というセルフキャリアドックの形態として、キャリアコンサルタント有資格者による社員相談対応が開始されました。
この機会を通じて、私もキャリアコンサルタントの資格を取得しました。現在は、管理職や幹部向けの人材育成を担当しながら、社員のキャリア支援にも関わっています。
それまでは社員の相談に応じることはありましたが、キャリアに関するものというよりは、仕事や家庭、職場環境など幅広いテーマが中心でした。キャリアコンサルタントとしてはまだ初心者ですが、経験を積み、成長していくことが最も大切だと考えています。
人事なのだから、「答えが出せなければ恥ずかしい」と思っていた
養成講座を受ける前の私は、相談者の立場に立って話を聴いているつもりでした。しかし、実際には「聴いているふり」「寄り添っているふり」をしていたことに、学びを通じて気づきました。相談者の話を、自分の経験や意見で受け止めていたことや、「人事として答えを出せなければ恥ずかしい」という思いが強くあったことにも気づきました。
しかし、キャリアコンサルタントの役割は答えを出すことではなく、相談者の話を受け止め、共に考えること。相談者が答えを出せない場合、その本質的問題に至る「キラーキーワード」を適切なタイミングで使うことによって、考えを深めるきっかけを作ることが大切だと感じました。このような学びを実践し、面談のたびに振り返ることで、より良い相談対応ができるよう努めています。
相談者の背景や状況を理解し、信頼関係を築くことで、限られた時間でも有意義なサポートができることを実感しています。
相談者の小さな変化を間近で見ながら、一緒に人生を考えていく
相談者の小さな変化を見ることが、私にとって大きな励みです。表情が明るくなったり、言葉が増えたりすることで、相談者の成長や変化を感じることができると、本当に嬉しく思います。漠然としていた将来の方向性が見えてきた時や、自分がこれまでやってきたことに自信を持てたという言葉をいただくと、やりがいを感じます。
キャリアコンサルタントとして、相談者と一緒に人生のジャーニーマップを作ることができるのは、非常に楽しく充実感があります。
この仕事を通じて、私自身もライフとワークが切り離せないことを再認識しました。自分自身の生き方を見直す良い機会にもなり、より良いキャリア支援ができるよう成長しています。
しんどかった試験勉強から、もっと勉強したい、挑戦したい思いを得た
50代で新しいことを始めること、キャリアコンサルタントの資格を取得することは、働きながらの学びが非常にしんどかったです。
自分でノートをまとめ、通勤時間を利用して勉強し、オンラインの問題を繰り返し解くなど、学科試験や論述試験に向けて努力しました。苦手な口頭試問では、講師から指導を受けて、整理して答えられるようになりました。時間を確保するのが難しい中でも、「変わりたい、もっと学びたい」という思いが支えとなり、乗り越えることができました。
この経験を通じて、今後はマネジメントスキルや専門性を高めるために、心理学やコーチングなどの分野にも挑戦し、より深いキャリア支援ができるようになりたいと考えています。年齢に関係なく、人生は挑戦し続け、学び続けることができると実感しています。今後も新しいことに挑戦していきたいと思っています。
江頭 千里 さん(50代)
スキルアップ
2021年キャリアコンサルタント資格合格
資格取得前:大手住宅設備メーカー マーケティング部門
資格取得後:マーケティング部門で新人教育や経営企画を担当し、キャリア支援策を企画実施するポジションを志願
職場の中で資格を活かし、活躍の場を自ら広げていく
コロナ禍の新たな挑戦に、キャリアコンサルタント資格取得を選んだ
2020年のコロナ禍で在宅勤務となったとき、通勤時間を、この時間を自分のために使いたいと考えたことが資格にチャレンジしたきっかけでした。50代後半に差しかかり、自分がワクワクすることや、楽しいと思えることは何かを考えたとき、新卒で入社した人材会社で求人誌の制作にかかわっていたこと、そこで経営者や人事の思いを広告に落とし込み、求職者の感情を動かし、新しい仕事に挑戦する機会を作ることにやりがいを感じていたことを思い出し、キャリアコンサルタントの学びを始めました。人材業界にいた経験から、キャリアについて理論的に学ぶことにも関心がありました。
資格を取得することと、人の育成をしたいことを会社に伝えた
当時はマーケティング部門でブランドに従事していたため、キャリア形成支援との直接のつながりはない職場でしたが、資格取得中から「資格を取得します。育成をしたいです。」と伝え、部門の中で人材育成担当となりました。
新入社員や二年次社員に向け、マーケティング研修とキャリア研修として、理論を含めてキャリアについて伝える機会を持てるようになりました。内的キャリア・外的キャリアについて、自分らしさとは何か、これからの経験をどう捉えていくか、エールを送るつもりで情熱を持って研修プログラムを構築してきました。
年度末、彼ら彼女たちの成長を目の当たりにした時の感動は今でも忘れられません。育成担当として、これほどやりがいのある経験はありません。
人事部にいなくてもキャリアコンサルタントの資格は生きる
人事部門との親和性が高そうなキャリアコンサルタント資格ですが、その他の部門でも、資格を活かす場は自ら作れると思います。養成講習の中で講師の方が「実は人事部門じゃない方の方が、その人を素でみられるということがある」と話されていたことが、印象に残っています。
その後押しもあって、キャリアについて考える重要性を、折に触れて周囲に伝えてきました。また、キャリア支援を軸にした仕事で会社に貢献したいと上司に働きかけ、ポジションをつくって頂きました。
マーケティングとも通じる「洞察力」、個性を理解し才能を輝かせる
キャリアコンサルタントとして、「自己一致」の重要性を深く理解していますが、まだまだです。クライアントの『今、ここ』の状態に真摯に向き合い、言語化されていない感情や価値観を深く読み解くことこそ、真の理解への第一歩だと考えています。これは、マーケティングにおける顧客視点に通じる洞察力です。クライアントに寄り添いながら、企業側の視点も踏まえ、個々の「強み」や「可能性」を引き出して組織に活かす。このプロセスは、型にはまらないからこそ大きなやりがいがあります。
資格取得後も、学び続ける姿勢を大切にしています。メンタルヘルス・マネジメントⅡ種やストレングス・コーチの資格を取得し、多角的な視点でクライアントをサポートできるよう研鑽を積んでいます。講習で学んだ理論や実践的なスキルは、あくまでも出発点。これからも成長を続け、クライアントの輝く未来を創造していきます。