国家資格キャリアコンサルタント養成講習・試験対策講座 資格取得後のキャリア・ストーリー

定年後のキャリアチェンジ

資格取得後のキャリア・ストーリー・江崎竜一さん

江崎 竜一 さん(60代)

キャリアチェンジ

2024年キャリアコンサルタント資格合格
資格取得前:大手商社にてマネジメント職
資格取得後:定年を機に社内キャリアアドバイザーとして勤務

定年を機に実現したマネジメントから専門職へのキャリアチェンジ

人事関連職への関心からキャリアコンサルタント資格を取得
60歳定年を迎えるにあたり、マネジメントを長く経験してきたことから、人事関連職に関心を持ち始めました。
23年の年末ごろ、同僚からパソナの養成講習を受けると話を聞き、この資格を調べてみようとなって、WEBでガイダンスを受け、年内にハローワークへ提出する必要書類などを用意し、24年2月開講の講習に滑り込むことができました。
24年8月の国家試験に合格。社外転身も考えましたが、社内のキャリアアドバイザーのポジションに空きがあればと申し出て、2024年12月には、そのまま社内でキャリアアドバイザーとして活動を開始しました。
辛辣な経験も糧になったキャリアコンサルタントの学び
パソナの講習は、カウンセリング演習や理論など、バランスの取れた内容でしたが、試験対策でのロールプレイが特に印象に残っています。初めの頃、指導講師から「その面談はキャリコンではありません。上司と部下の関係です。」「気持ちは伝わってきますが、それはキャリアコンサルタントの姿勢ではありません。」など、わりと辛辣な言葉をいただきました。
またロールプレイの相手からも、「正直に申し上げますと、はっきり言って全然噛み合っていませんでした。」など、結構厳しいことを言われましたが、言ってもらって良かったと思います。自分の悪いところは自分ではなかなか分からないですから。
それからは、あくまでも相談者の目線で傾聴するという姿勢で、考え方、捉え方を変えようと意識しました。
社内面談は、傾聴力を活かし、人それぞれの対応を工夫しながら
養成講習と試験対策のなかで傾聴を中心とした対応を身に付けたことが役に立ったと感じたのは、やはり、社内キャリアアドバイザーに着任してからです。相談者は本当に人それぞれ、もうしっかりと将来像を自分なりに考えている人もいれば、そうでもない人もいます。
何も考えられないという人には、まず考えるきっかけを作ることを心がけています。それぞれの人生がありますからね。
面談後のアンケート結果でも、良い反応や、感謝の言葉をいただいていて、面談が役に立ったと感じられることがやりがいです。
キャリアコンサルタント資格から、さらに新しいチャレンジへ
次のステップとして、上級資格であるキャリアコンサルタント技能士に挑戦することを目指しています。
また、年金や資産運用についても相談に乗る場面が増えるため、ファイナンシャルプランナーや宅建などの資格取得も検討しています。
65歳を過ぎても、元気であればこの資格を活かして、新たな仕事に就くことも視野に入れています。
セカンドキャリアを充実させるための一歩として、キャリアコンサルタントは大きな意味を持つ資格です。
資格取得後のキャリア・ストーリー・宮田博之さん

宮田 博之 さん(60代)

キャリアチェンジ

2023年キャリアコンサルタント資格合格
資格取得前:メーカーにて研究職とマネジメント職
資格取得後:定年を機に社内キャリア相談室担当、ダイバシティ推進も実施

定年前研修のキャリアコンサルタントとの出会いに感動、
セカンドキャリアを決めた

定年再雇用で、技術部門から畑違いのキャリアコンサルティングの世界へ
メーカーに入社以来、ずっと研究開発を担当。40代から全体のマネジメントに携わり、定年前は5年間ほど知的財産関連のマネジメント、そして定年を機に、再雇用の立場でキャリアコンサルタントとして全く畑違いのセカンドキャリアに挑戦しています。
最近ようやく、キャリア相談に対する手応えも感じ、専門領域の拡大にも取り組み、予想以上に充実したセカンドキャリアを楽しめていると感じます。パソナの養成講座・試験対策のおかげで一発合格できたことが今の自信にもつながっています。
キャリアコンサルタントとの出会いはショックというか、感動の体験だった
定年前に会社で、パソナが開催するシニア研修と、キャリアコンサルティングを受ける機会がありました。
そこでなんだかよく分からないモヤモヤが晴れた気がして、こんな仕事があるんや!と。この気持ちは、ショックというか、感動の体験でした。それが、キャリアコンサルタントとの最初の出会い、そして、この仕事に興味を持ったきっかけです。
もともと研究職で、学会活動やアカデミアと交流やつながりが深く、先生方や研究者が色々と悩みを抱えている場面に接し、個別に相談にのることがありました。自分自身が今後の目指す方向として、良いのではないかと思いました。
養成講習・試験対策は、それこそ私がぜんぜん知らなかった学び、人、世界との交流で、とにかく楽しい時間でした。研究者として限られた人との付き合いをしてきましたが、様々な業界や職種の人と出会うことができました。
資格取得後2年、キャリアを支援しているという実感が出てきた
キャリア相談の仕事をしたいと社内で伝えたのは、資格取得後です。
はじめは主業務とパラレルでスタートし、翌年の春頃から、ダイバーシティ推進にも一緒に取り組んでほしいと言われ、今はキャリア相談との二つを担当しています。キャリア面談では、二年ほど経過し、最近は「あなたに相談できて良かった」という言葉をいただいたり、相談者の変化も分かるようになり、キャリアを支援しているという実感が持てるようになってきました。
また、ダイバーシティ推進では、かかわるほど多くの課題が見えてきて、女性活躍、両立支援、シニアの活躍、障がい者、介護との両立など、知識も増えてきたことを活かしながら、キャリアコンサルティングに関連する専門領域の拡大にも取り組んでいきたいと考えています。
これからも活動範囲を広げ、75歳くらいまで対人支援をしていきたい
定年を迎えた後は、自分のキャリアや世界はどんどんシュリンクしていくと思っていました。
キャリアコンサルタント資格取得を通して、新たな世界を知ることで、世界はまだまだ広がっていると思えるようになりました。自分は成長できる、これからも少しは役に立てるかもと思えます。
今の会社はあと二年くらいなので、ダイバーシティ等様々な問題にも取り組みながら、活動範囲を広げていきたいです。理系出身のキャリアコンサルタントとして、理系人材に寄り添う支援にもコミットしていきたいです。このまま、75歳ぐらいまでは続けていきたいなと考えています。
資格取得後のキャリア・ストーリー・上野一樹さん

上野 一樹 さん(60代)

キャリアチェンジ

2024年キャリアコンサルタント資格合格
資格取得前:メーカーにて設計・開発業務、マネジメント職
資格取得後:定年を機に人事部にてシニア活躍推進と併行し、社内キャリアコンサルタントとして勤務

定年を契機にコーポレート人事へ、
新たな学びから実践が生まれ、次の挑戦に導かれる

畑違いの分野へ向けて、キャリア課題解決への思いから学びのスタート
30年間の開発・設計業務を経て、私は7年間、開発部門の人事業務を担当してきました。その中で、特にシニア社員の活躍を促進する必要性を感じ、会社の方針としてキャリアカウンセリングを活用していこうという動きがありました。
定年を迎えるタイミングでキャリアコンサルタントの資格取得を勧められ、私自身も開発人材のキャリアに関して課題を感じていたため、これを全社的に広げることができる貴重な機会だと感じて引き受けました。しかし、養成講習を受ける中で直面したのは、毎週土曜日のリアルタイム講習というハードルと、学ぶ内容が今までの経験と大きく異なることでした。
キャリアやキャリアコンサルタントとは全く新しい、畑違いの分野で、最初は自分の年齢で本当に今から習得出来るのか、戸惑いと不安を抱えながらのスタートが正直なところでした。
実務で実感したキャリアコンサルタントの役割と意義
養成講習で学んだ専門的な知識や理論、特にキャリアコンサルタントの役割の意味は、実務に入ってから初めて実感することができました。まず、キャリアコンサルティングを実施するに先立ち、各部署からの協力を得る段階では、「キャリアコンサルティングの社会的意義」や「役割の理解」で学んだことが引き出しとなって、社内の理解を得ることができました。また、社内における相談に対する抵抗感については、キャリアコンサルタントの倫理規定に基づき守秘義務について説明し、協力を得ることができました。
企業内での相談対応には、キャリアコンサルタント一人では対応できないことも多く、他の部署や関連組織との連携していく力が重要です。今後は、より密に連携し、広範囲な支援に繋げていきたいと考えています。そして、最終的にはセルフキャリアドックを企業内で実施することを目指し、この資格を最大限に活用していきたいと思っています。
理論や専門知識は実践の土台になっていく
養成講習では、キャリア理論やカウンセリング理論も多く学びました。
当時は、試験対策のための理論と割り切っていましたが、実際に面談を進める中で、その理論が現場でどのように役立つのか、どの理論が効果的に使えるのかを実感しました。さらに、キャリアコンサルタントとして実務に入っていくと、法律や組織の体制・仕組み、厚生労働省の指針など、学んだ内容が実際に必要であり、非常に役立ちます。
このように、理論が実践で活用される場面に遭遇することで、その重要性の実感を深めています。また、実務では、専門性に弱い部分もあると感じることもあります。そのために、自分で学ぶべき領域と他の専門家に協力してもらうべき領域を明確に分けて整理すること、それをトータルで強化していくことが大切だと感じます。養成講習は、まさにそのための土台作りであったと振り返っています。
セルフ・キャリアドックを作り上げていくことを目標に
定年後、開発部門から全く異なるコーポレート人事部門に移るという挑戦、そしてキャリアコンサルタント資格を取得するための勉強は、60歳を迎えてからの大きな挑戦でした。
実際に資格を取得できたことは、自分にとって大きな自信となり、周囲にもその姿を見せることができました。まだまだ自分にはできることがあると感じられ、これからの活動に対する意欲が湧いてきました。
今後はさらに必要な知識や能力を学び、経験を積むことで、キャリア形成やリスキリングの支援を行っていきたいと思います。また、社内でキャリアコンサルティングができる仲間を増やしていき、各領域に1人ずつ配置することで、より多くの社員をサポートしていきたいと考えています。そのために、セルフ・キャリアドックの仕組みを作り上げていくことが今後の目標です。
現在、2025年度のスタートに向けて準備を進めており、キャリア形成・リスキリング支援センターと打ち合わせを行い、導入に向けた相談も進めています。